
最近、鏡に映る自分の顔を見て「なんだか親に似てきたな」と感じることはありませんか?
ふと「もしかして、ほうれい線も遺伝するのかな」と不安になっているかもしれません。
すでに、ご両親と似たほうれい線ができつつある方は、「これって放っておいたら、もっと深くなっちゃうのかな…」と心配になるのも当然です。
実は、このほうれい線、遺伝的な体質や骨格の要因が大きく関わっています。
でも、それだけで決まるわけではありませんし、「遺伝だから仕方ない」とあきらめる必要もありません。
なぜなら、「自分はほうれい線ができやすい」と早めに気づけた人こそ、予防や対策をスタートできるからです。
また、ほうれい線は、全てが先天的な資質で決まるわけではありません。
生活習慣もほうれい線の進行に大きく関わっています。
だからこそ、気になり出した時からの早めの対策が今後を大きく左右します。
今回は、美容皮膚科医の視点から、ほうれい線と遺伝の関係性や生活習慣やスキンケアでの予防や改善策までご説明します。
この記事を読んでいただくことで、ほうれい線が遺伝するという事実があったとしても、ほうれい線に悩まずに済むような未来が得られるきっかけになればと思います。
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著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長
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1.親から受け継がれる ほうれい線に影響する2つの遺伝要素
ほうれい線の深さや出現時期は、顔の骨格や皮膚の性質といった体質に大きく左右されます。
これらは遺伝によって決まる部分が多く、「ほうれい線は遺伝する」というのは事実です。
ここでは特に影響が大きい2つの遺伝要素について解説します。
1-1.骨格の遺伝がほうれい線の出やすさに影響する理由
顔の骨格は遺伝によって受け継がれる要素の一つであり、ほうれい線ができやすいかどうかを決定づける重要な要因です。
特に以下のような骨格の特徴は、親からの遺伝で受け継ぎやすく、ほうれい線が目立ちやすい傾向があります。
- 頬骨の位置が低い or 小さい → 頬の皮膚が下がりやすい
- 下顎が小さく後退している → フェイスラインがゆるみやすい
- 鼻の付け根が低い → 口元の筋肉の支えが弱くなる
<骨格が原因のほうれい線の例>
1-2.肌の性質も遺伝の影響を受ける
肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンの量や質も、遺伝の影響を受けます。
また、皮膚の老化速度にも遺伝的な影響があります。
- コラーゲン生成量が少ない → 早い段階でたるみが進行する
- 肌が薄く、刺激に弱い → 刺激の影響を受けやすく、ほうれい線が深くなりやすい
- 肌が乾燥しやすい → 水分不足により、ハリを保つ力が弱く、ほうれい線が深くなる
これらの特徴を持つ場合、20代後半から30代にかけて早くもほうれい線が目立ち始めることも珍しくありません。
親が若い頃からほうれい線が目立っていた場合、その傾向を受け継いでいる可能性が高いです。
<皮膚のハリがないことによるほうれい線の例>
2.自分のほうれい線は遺伝?生活習慣?見極めポイント
もちろん、ほうれい線は遺伝だけのせいではありません。
多くの場合、遺伝的素因に加えて、後天的な要因が複雑に絡み合ってほうれい線が形成されます。
2-1. 親や祖父母の顔つき・若い頃の写真から見える傾向
もし以下ような特徴に当てはまる場合、遺伝的にほうれい線ができやすい可能性があるため、早めのケアが重要になります。
□ 親が若いうちからほうれい線が目立っていた
□ 肌が乾燥しやすく、ハリが失われやすい
□ 顔の脂肪が少なく、皮膚が薄い
□ 同年代の人と比べてシワやたるみができやすい
ご両親や祖父母の若い頃の写真を確認してみてください。
両親や祖父母に若い頃から深いほうれい線があった場合、遺伝的な影響が強い可能性が高いです。
2-2. 生活習慣の影響を振り返ることで、後天的要因かを判断
遺伝だけでなく、生活習慣や環境の影響もほうれい線の状態に関わります。
たとえば、紫外線をよく浴びる、睡眠が不規則、食生活が偏っているといった習慣が重なると、遺伝に関係なくほうれい線が深くなりやすいです。
日々の過ごし方を見直すことで、遺伝の影響を最小限に抑えることも可能なのです。
2-3. 肌質の変化が示す“遺伝型”か“生活習慣型”かのヒント
生まれつき乾燥肌で、ハリや弾力に欠ける場合は、遺伝的な要因が影響している可能性があります。
一方、若い頃は肌のハリや弾力があったものの、加齢や生活習慣によって肌の質が変化してきた場合は、後天的な要因が強まっていると考えられます。
3. 遺伝リスクが高い人ほど意識したい生活習慣とスキンケア
ほうれい線の深さは、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣の影響も大きく受けます。
遺伝的な要因があっても、正しい生活習慣を心がけることで、ほうれい線の発生を遅らせたり、その深さを浅く保つことは十分可能です。
3-1. 姿勢を正すだけでフェイスラインに差が出る
猫背は顔まわりの筋肉に負担をかけ、ほうれい線を深くしてしまう原因となります。
常に背筋を伸ばすことを意識するだけで、フェイスラインが変わってきます。
3-2. 食生活の改善がハリのある肌を支える
ビタミンCやコラーゲンを豊富に含む野菜や魚を意識的に摂取することを心がけてください。
逆に糖質の摂りすぎは、肌のハリを損なう原因になります。
3-3. 良質な睡眠で肌のターンオーバーを促す
肌の再生は寝ている間に行われます。
7~8時間程度の質の良い睡眠を確保するように心がけてください。
3-4. 表情のクセや筋肉の使い方にも要注意
笑顔は良いですが、口角を上げすぎるクセや、眉間にしわを寄せるクセなどには注意が必要です。
同じ表情を繰り返したりせず、顔の筋肉をバランスよく使うことが大切です。
3-5. 保湿・紫外線・酸化対策で日々のダメージを防ぐ
遺伝的に肌が乾燥しやすい方や、ハリを保ちにくい体質の方は、日々のケアで差が出やすい傾向があります。
まずは、保湿としてセラミドやヒアルロン酸などを含む化粧水で、水分をしっかり保たせます。
次に紫外線は肌の弾力を支えるコラーゲンを破壊してしまいます。
日焼け止めは毎日の習慣とし、紫外線から肌を守るようにしてください。
さらに酸化対策として、レチノールやビタミンC誘導体を取り入れ、肌の老化を内側から防ぎます。
体質は変えられませんが、ケアの積み重ねで進行を遅らせることは十分可能です。
4. 遺伝型ほうれい線に有効な美容医療とは?
遺伝的な要因が強く、生活習慣やスキンケアだけでは改善が難しい場合には、美容医療という選択肢があります。
ここでは、特に骨格や肌質の遺伝的な特徴によってほうれい線が出やすい方に向けた治療方法をご紹介します。
4-1. グロースファクター治療で根本的なハリを回復
グロースファクターとは、皮膚のコラーゲンを生成させる細胞に働きかけるタンパク質です。
そのため、コラーゲンの生成力が弱いなど、肌の構造的な弱さを感じる方に向いています。
<グロースファクター治療の実例>
4-2. ヒアルロン酸注入で見た目の変化をすぐに実感
ヒアルロン酸とは、もともと体の中に存在している成分で、ほうれい線に直接注入することで、シワやほうれい線を浅くする治療です。
頬骨の低さや顎の後退などで生じるくぼみに即効性のある対策です。
<ヒアルロン酸治療の実例>
4-3. ボトックス注射で表情ジワを予防
表情筋の動きを抑制することで、顔を動かした時に現れるほうれい線を予防または改善する治療です。
遺伝的に口元の筋肉が緩みやすい方に有効な手段です。
4-4. 糸リフトでたるんだ皮膚を引き上げる
骨格による下垂が強い場合、リフトアップによる引き上げで改善が期待できます。
5. よくある質問:遺伝に関する素朴な疑問に答えます
5-1. ほうれい線は遺伝と後天的要因のどちらが大きいの?
ほうれい線の形成には、遺伝と後天的な要因の両方が影響します。
骨格や皮膚の質などの遺伝的要素が基盤となりますが、ライフスタイルによってほうれい線の出現時期や深さは大きく変わります。
例えば、紫外線対策をしているか、表情筋を使う機会が多いかなどの違いが、ほうれい線の目立ちやすさを左右します。
5-2. 兄弟姉妹で出方が違うのはなぜ?
兄弟や姉妹であっても、遺伝の影響の受け方には個人差があります。
また、喫煙習慣・食生活・表情のクセ・スキンケア習慣などの生活習慣の違いによって、ほうれい線の出方が変わることもあります。
無表情の時間が長い人は、筋肉の衰えが進みやすく、ほうれい線が深くなる可能性が高まります。
逆に、笑顔が多い人は表情筋が発達し、ほうれい線が目立ちにくい傾向がありますが、真顔に戻っても消えないほうれい線は老化の兆候として注意が必要です。
5-3. 20代で目立つのはやっぱり遺伝?
20代でほうれい線が目立つ場合、おもに骨格的な遺伝の可能性が高いです。
しかし、ほうれい線ができる原因としては、遺伝だけでなく、生活習慣やスキンケア不足などの後天的な影響もあります。
5-4. 美容医療はいつ始めるのがベスト?
美容医療は早めに始めたほうが効果を実感しやすいため、ほうれい線が気になり始めた段階がベストな時期です。
いつ治療しなければならないという決まりは特にありません。
しかし、若々しいお顔の方が、気分がいいのは間違いありません。
実際に当院に来院される方の中には、人から言われて気になったとか、オンライン会議の時に画面に映る自分の顔を見て気になったという方が多いです。
6. まとめ:遺伝でもほうれい線は防げる。気づいた今がはじめどき
遺伝によるほうれい線の出現に不安をお持ちの方や、すでにご両親と似たほうれい線が生じている方も、まずはできることから始めてみてください。
適切な対策を取ることで、将来の見た目や印象は大きく変わります。
気になる方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。