
著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長
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「口角のボトックスを打ちたいけど、本当に大丈夫?」と調べれば調べるほど気になりますよね。
ボトックス注射は、手軽に見た目の印象を変えられる人気の施術ですが、実は慎重に考えるべき点もあります。
特に口角への施術には、いくつかのリスクが伴うことをご存じでしょうか?
口元の印象を良くしたいと思ってボトックスを検討している方は多いですが、実は口角のボトックスで「思ったより不自然な仕上がりになった」「表情が変になった」「あまり効果がなかった」という声も少なくありません。
もしあなたが自然な笑顔やバランスの取れた表情を維持しながら美しさや若々しさを追求されたいのであれば、本記事で解説する「口角のボトックスを勧めない理由」を知っておくことをお勧めいたします。
口元の施術は、単にボトックスを打つだけでなく、顔全体のバランスを考えた、本来の自然さを損なわない施術が必要です。
この記事では、口角のボトックスを勧めない理由と、代替施術の選択肢について詳しく解説します。
後悔しないために、ぜひ最後までお読みください。
では、さっそく、口角のボトックスを勧めない5つの理由について解説していきます。
不自然な表情になりやすい
ボトックスは筋肉の動きを抑制することでシワを防ぐという治療法です。
そのため、口角を下げる「口角下制筋」に注入すると、口角が下がる動きが弱まります。
しかし、同時に周囲の筋肉とのバランスが崩れ、笑顔がぎこちなくなったり、無表情に見えたりする可能性があります。
口周りの笑顔に関連する筋肉としては、主に口角下制筋、口輪筋、笑筋があります。
これらの筋肉のバランスが崩れると、思わぬ表情の変化が生じる可能性があります。
効果が期待通りにならないことがある
ボトックスの効果は個人差があります。
そのため、期待したような変化が得られないケースもあります。
特に、筋肉の発達具合や表情のクセ、他の表情筋とのバランスなどにより効果の出方は意外と予想できないこともあります。
また、ボトックスの影響で他の筋肉とのバランスが崩れ、逆に違和感のある表情になることもあります。
事例
「首の縦じわと口角の下がり」が気になり、口角ボトックスをおこなったものの効果が不十分だったため、広頚筋ボトックス施行した方です。
<施術名>
広頚筋ボトックス
<料金>
66,000円
<副作用・リスク>
内出血、感染、アレルギー、一時的な首の動かしづらさ
ぐっと下に引っ張ってもらっていますが首の縦じわが改善しています。
口元のたるみを悪化させる可能性がある
ボトックスは筋肉の動きを抑制することはすでに述べました。
また、ボトックスは半年くらいで切れるため、繰り返しの施術が必要です。
そのため、長期的に使用すると筋肉が萎縮し、周囲の皮膚のハリが失われる可能性があります。
これは、口周りの筋トレと逆を行っていると考えれば分かりやすいです。
特に40代以降は口元のたるみが進んでくるため、ボトックスの繰り返しは、逆に老けた印象をもたらすリスクがあります。
ほうれい線が何歳から気になるか?治療を始める時期の目安
上記が当てはまる場合は、ボトックスよりもグロースファクターやヒアルロン酸、HIFU(高密度焦点式超音波)など、シワ・たるみにダイレクトに効く施術が適している場合があります。
症例写真ーほうれい線(グロースファクター)
発音や食事に影響を与える可能性がある
口元の筋肉は、話す・食べるといった日常的な動作に関与しています。
ボトックスを誤って打ちすぎると、以下のような影響が出ることがあります。
あり得るリスクとして、発音の不明瞭化があります。
口をしっかり動かせなくなり、「まみむめも」などの発音がしづらくなることがあります。
また、スープやジュースなどを飲む際に口横からこぼれやすくなったり、よだれがたれ続けたりすることがあります。
このような問題が発生すると、半年はボトックスの効果が切れるまで不便な日々が続きます。
したがって、慎重な判断が必要です。
効果が切れるとリバウンドのリスクがある
ボトックスの効果は3〜6か月程度で切れます。
効果が切れた際に急に元の状態に戻ります。
その時、場合によっては、「以前よりも口角が下がったように感じる」ことがあります。
これは、一時的に使われなくなっていた筋肉が急に活性化することで起こる現象です。
まとめ
口角のボトックス注射のデメリットは、あまり語られることはありません。
一見手軽で簡単な施術に思えますが、以上のようなリスク・副作用があります。
意外と慎重な検討が必要です。
今回紹介した「口角のボトックスを勧めない理由」を考慮し、ご自身に合った施術を選ぶことが大切です。
口元のたるみ・シワにお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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